「国産牛=和牛」ではありません。
■国産牛はホルスタイン種などの乳用種と、乳用種と肉用種を交雑させた交雑種(F1)などです。
乳用種の生産は、乳の出なくなった廃牛を出荷するものと、雌の人工出産により生まれた雄の子牛を18か月間飼育し去勢したものなど。ホルスタイン種は乳用種なので、肉自体は肉用専用種の和牛や輸入牛(肉用種)よりもだいぶ劣ります。
表示としては「和牛」とあれば肉用種、単に「牛肉」とあれば乳用種または交雑種です。
「黒毛和牛」とは表示していないので注意が必要。
例)コンビニのお弁当に黒毛牛弁当がありますが「黒毛和牛」とは書いてありません。
黒毛牛は黒毛和牛ではありません。ブラックアンガス種で輸入牛です。飛騨黒毛牛、前沢黒毛牛など。あたかも和牛のようで、わざと間違わせているかのようです。
1 輸入牛はヘレフォード種、アバディーンアンガス種、ショートホーン種、和牛品種(@ 黒毛和種A 褐毛和種B 日本短角種C 無角和種D @からCまでに掲げる品種間の交配による交雑種E Dに掲げる品種と@からDまでに掲げる品種間の交配による交雑種の6種類)と前述の品種の交雑種など。
2 輸入和牛(品種)が平成10年から輸入されている。肉自体は和牛で、日本国内で肥育された和牛となんら変わらない。
ただし、原産地表示に関しては飼養期間の最も長い場所(国)を言うので次のような場合がある。(商品の原産国に関する不当な表示・昭和48年10月16日公正取引委員会告示第34号)
例@原産地アメリカ--> 飼養期間12ヶ月・飼養地アメリカ+飼養期間10ヶ月・飼養地日本
例A原産地日本(国産)-->飼養期間7ヶ月・飼養地カナダ+飼養期間7ヶ月・飼養地アメリカ+飼養期間8ヶ月・飼養地日本(日本での8ヶ月が最長)
輸入和牛品種は上記Aの場合には、原産国は日本なので国内で肥育された「国産牛」として表示できることになります。
例 国産牛・黒毛和種
和牛等特色ある食肉の表示に関するガイドライン(和牛・黒豚)
平成19年3月26日 18生畜第2676号 農林水産省生産局長通知
「和牛」と表示できる牛肉はは国内で出生し、国内で飼育された牛であること。
品種としては@ 黒毛和種A 褐毛和種B 日本短角種C 無角和種D @からCまでに掲げる品種間の交配による交雑種E Dに掲げる品種と@からDまでに掲げる品種間の交配による交雑種の6種類の牛であること。
また、家畜改良増殖法に基ずく「登録制度により証明」できること。
味の良い和牛としては但馬牛、近江牛、米沢牛などが有名。松坂牛は但馬牛を特別に松坂で肥育したもの。但馬牛は神戸牛としても販売されている。
日本短角種 (にほんたんかくしゅ)
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在来種にイギリス原産のショートホーン種を交配して改良を図ったもの。
青森、秋田、岩手の3県と北海道で飼育されている。
放牧に適し、比較的体重の増加も大きいが、肉質は黒毛に比べてやや劣る。
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褐毛和牛 (かつげわぎゅう)
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熊本系のものは肥後の褐毛、高知系のものは土佐の褐毛と呼ばれている。
熊本系のものは産肉量の点では黒毛和牛に勝るが、肉質の面では劣る。
高知系のものは黒毛和牛の肉質に近い。
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無角和牛 (むかくわぎゅう)
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在来種にイギリス原産のアンガス種を交配して作り出されたもの。
山口県の萩市とこれに隣接する阿武(あぶ)郡に飼育されている。
黒毛和牛に比べて早熟早肥で枝肉歩留まりも高く、飼料の利用性に富む。
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黒毛和牛 (くろげわぎゅう)
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かつては日本の水田耕作と密接に結びついた役肉牛として長年にわたって改良されてきたが、近年は肉用種として改良が進められている。
肉質はほかの品種と比べて優れている。
黒毛和種(松坂牛、神戸牛、近江牛など)が、和牛の9割を占めています。
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「オーストラリアやアメリカの牛肉は日本の肉とはどこが違うの?」
「料理によって使い分けることができるかしら?」
基本的な違いは、飼育されている牛の品種と飼料と肥育期間の違いです。ただし、日本の商社や食肉メーカーが海外で直接(現地子会社)、間接的(技術提携)に日本の牛(和牛)を生産しているものもあるのでアメリカの牛肉、オーストラリアの牛肉と言った具合に一くくりにはできません。日本の肉も多種多様で一くくりにすることはできません。
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